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難しかった…

文才の無さのせいか…はたまたらぶらぶがよくわかっていないせいか…
時間かかりましたがなんとか書き上がりました。二期ライアニュ(と言いはる)です。
時間軸としては「ブレイクピラー」から2ヶ月くらい。
ライルがアニューに告白してそんなに経ってないころかな?
(男気を見せてライルからだそうです。アニ○ディア連載『天空からこんにちは』公式情報)
見づらいかもしれませんが、ちょっぴりおまけもあります。
では、「続き」のほうからどうぞ。

ちなみに次回は一期ニル刹(+沙慈?)の予定です(ただし予定は未定。だから『沙慈?』)。

古代中国では、空にかかる虹は「龍」と捉えられてきた。
特に、ごくまれにかかる二重の虹は雌と雄の龍であると。
雄の龍は「虹(こう)」、雌の龍は「蜺(げい)」。

雌雄一対の龍に見なされた二重の虹を、「虹蜺(こうげい)」と呼ぶ。



  【雌雄の龍】



「アニュー、走れ!」
人革領、中国の大都市。
買い出しに出ていたライルとアニューは、突然の雨に襲われていた。
慌てて手近なカフェの軒下に入り、ほっと一息つく。
「大丈夫か?」
「ええ」
大丈夫よと、アニューはライルに笑顔を向けた。
雨が降り出した時点で彼が、着ていたコートの中に頭からアニューを包んでくれた。おかげで
アニューも、彼女が抱えた買い物袋も無事だった。
自分より、かばってくれたライルのほうが心配だ。
「ライル、髪が…」
コートも濡れている。ロングスカートのポケットからハンカチを取り出して鳶色の髪についた
雨滴を払うと、照れくさそうにライルの頬が赤くなった。

このまま軒下にいてもふっかける雨に濡れてしまう。
とりあえず雨がやむまでカフェで一休みしようと店内に入ったはいいが、
雨はなかなかやんでくれない。
しかし、東の空を覆う厚い雲には日光が当たっている。西側、カフェの裏手の空には
陽が出ているからだ。
「こりゃ通り雨だな。もうしばらくすればやんでくるさ」
それほど広くないが落ち着いた店内の、隅のほうの席。
コートを椅子の背もたれに掛けて窓の外を覗くライルの向かいの席に座ったアニューは、そう、
と返しながらも、内心少し、いやかなりがっかりしていた。
買い出しを頼まれたのは、本当はアニューだけだった。
荷物は少ないし(主に女性陣の細々としたものばかり)、それに操舵と医師の兼任は
結構な負担になってるはず。そもそも衛星兵器破壊ミッションに、アロウズからの逃走、
刹那とラッセの細胞代謝障害と、トレミーに来て以来、アニューは休むひまがない。
だから、「たまにはゆっくり買い物でも楽しんできなさい」とスメラギが配慮してくれた。
その買い物に、「女ひとりは危ないから」とライルが同行してくれたのだ。
『たまには二人っきりでデートでもしようぜ』
彼が耳打ちしたその言葉に顔が熱くなったが、嬉しかった。トレミーでは二人きりでいられる
時間も場所も、限られているから。
買い出しはもう終わった。いつアロウズや連邦が攻めてくるかわからないから、すぐトレミーに
戻らなければならない。
窓越しに空を見上げながら、思わずため息をついてしまう。
「疲れたか?」
え、とライルを見れば、翠の瞳が少し心配そうにアニューを覗き込んでいた。
自分はそんな顔をしていたのか、よけいな気を使わせてしまった。慌てて否定を返す。
「違うの、そうじゃなくて…」
そう、別に疲れたからため息をついたわけじゃない。
俯いて、アニューはぽつりとこぼした。ただ…
「ただ…もっと本格的に降ってたら、そのぶん二人でいられたのになあって…」

言葉にしたとたん、どかーっと顔が熱くなった。
ああ、自分はなにを言っているんだろう。口に出したこっちが恥ずかしくなる。
呆れてるだろうな、そう思いつつそろりと上目づかいにライルの様子を窺う。
が、ライルの反応を見るなり、アニューは顔を上げた。
「…え…あ…」
口元を覆って、視線を彷徨わせている。しかも顔が赤い。
どうやら口を押さえているのは、にやけそうになるのを必至で隠しているかららしい。
つまり、ライルは照れているのだ。
アニューに返す言葉が出ずしまいにはごまかそうとしているのか、注文したコーヒーを
運んできたウェイターに、窓の横にかけてある絵について訊いている。
予想外の反応がおかしくて、アニューはこみ上げる笑いを堪えるのに必至だった。


でも、口にした言葉は本心だ。
一緒にいたい。二人でいたい。傍に寄り添っていたい。できることなら、この先もずっと。
時々考えてしまう。
自分たちは、いつまで一緒にいられるのだろうか?
自分たちは、いつまでこうして笑いあっていられるのだろうか?
もしかしたら、時間はあまり残されていないのかもしれない。自分たちが知らないだけで。
自分はプトレマイオスの操舵士で。
ライルはケルディムガンダムのマイスターで。
トレミーが被弾すれば、自分が死んでしまうことだってある。
ケルディムが大破すれば、おそらくライルは助からない。
戦闘になれば、いつなにが起こるかわからない。
次の戦闘で、自分か彼がいなくなってしまうことだってありうる。
それでも、いや、だからこそ強く願う。願ってしまう。一緒にいたいと。
一緒にいたい。二人でいたい。傍に寄り添っていたい。できることなら、この先もずっと。
理由なんて無い。あるとしたら、彼が好きだから。愛しいと思うから。
無茶な望みかもしれないけれど。それでも、自分は。
この先にある時間を、ライルと共に歩みたいのだ。


雨が小降りになったのを見計らって、そろそろ戻ろうかと店を出た。あまり長く戻らないと、
仲間たちに心配をかけてしまう。
「ティエリアもうるさいだろうしなあ…」
こえーんだよあの教官殿は。そうぼやくライルがなんだかおかしい。思わず笑ってしまう。
外に出ると、まだ雨の匂いが残っている。
ふと、厚い雲の広がる東の空を見上げ、アニューとライルは同時にあっと声をあげた。
「おー…」
「すごい…」
見上げる空に、虹がかかっている。それも一本ではなく、二本。
誰もがよく知る虹の外側に、寄り添うように薄い虹がかかっているのがはっきりと黙視できた。
見とれるアニューの口から、感嘆が漏れる。
「二本の虹なんて、初めて見た…」
俺もだよ、と感心したようなライルの声が聞こえる。
「すっげーなあ…これが虹蜺かあ…」
聞き慣れない言葉に、アニューはライルを降り仰いだ。
「こうげい?」
「あれ、さっきのウェイターの話、聞いてなかった? 店の中に二本の虹の絵が飾ってあってさ」
これ、このあたり特有の現象? そう訊くとウェイターは、珍しいが条件さえ揃えば世界中
どこででも見られるものだと答えてくれたそうだ。
もうひとつ、中国特有の興味深い話も。
「なんでも、何百年何千年前の古代中国じゃ、虹は龍として捉えられてきたんだと」
「龍って……ドラゴン? 空想生物の?」
「そうそう。東洋のほうのな」
龍、ドラゴンとひとくちでいっても、西洋と東洋では結構な違いがある。
西洋のドラゴンは翼を持った恐竜に近い姿で、悪魔や悪神のイメージがあるが、逆に東洋では
四肢と角を持った蛇のような姿で、水神、龍神といったいわば善神のイメージがある。
ここ中国では虹をその姿にあやかり後者、つまり龍の長大な姿に重ねたのだ。
「で、あんなふうに二本同時にかかる虹は、雄と雌の龍って考えられてきた。内側にかかってる
虹は雄の龍で“虹”、外側にかかってる薄い虹は雌の龍で“蜺”」
「だから、“虹蜺”…」
アニューは再び二本の虹に目を向けた。

アニューは、あの虹たちが、あの龍たちが、羨ましかった。
雌雄の龍。あの龍たちはきっと、これからも互いと一緒にいられるのだろう。
時間が経って、この場から消えていくときも。
世界のどこかで再び現れるときも。
永遠の時間、ずっと、寄り添っていくのだろう。
(ずるい…)
虹を相手にバカなことを考えているのはわかっている。でも、やっぱりずるいと思う。
自分たちはいつ、どんな別れ方をするのかわからないのに。
いつ別れてしまうかもわからないのに。
(私だって、ライルとずっと…)


隣で空を見上げるライルの肩に、そっと、自分の頭を預けてみた。
ライルが突然のことに驚いているが、そんなことお構いなしだ。
ずっと一緒にいられたら。それが一番いい。
でも、それが叶わなくなるかもしれない。二度と二人でいられなくなるかもしれない。
そんな状況に、そんな場所に、自分たちは立っている。
仕方がないこととはわかっている。自分たちは戦争根絶のため、世界に反旗を翻した組織だ。
いつ世界に淘汰されてもおかしくない存在だ。
でも、それでも。
一緒にいたいと思うから。共に歩みたいと心から願うから。
だから、そう簡単に屈してなんかやらない。だから諦めない。だから戦い抜く。
いつかなんの不安もなく、彼と共にすごせる世界が来る、その日まで。

「ライル――」

この先の生涯を、私と一緒に生きてください。

小さく小さく紡いだ言葉は、今はまだ、届かなくていい。
いつか世界が変わったら、そのときに伝えるから。




二人一緒に同じ道を歩いていきたい。
二人一緒に同じ時を過ごしていきたい。
二人寄り添って、これから先も一緒にいたい。

天空を駆ける、あの龍たちのように。





虹蜺






あとがき
難しい…こういうのはやっぱり要特訓ですね…。

おまけの虹は2年前、仕事帰りにかかっていたのを偶然携帯に納めたものです。
いやー珍しいもん見たなー。


OOの放送が終わった今でも思います。
利用されなければ、リボンズの邪魔が無ければと。
二人とも、一緒に生きていきたかっただろうなと。
そして考えてしまいます。
確かにあった、二人の幸せな時間を。

2009/05/19 21:20 |おりだぶ小説COMMENT(0)TRACKBACK(0)  

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